スバルの人気車種、インプレッサ。
その名の通りスポーツタイプであるインプレッサスポーツは決して燃費がいいわけでもないし、目立つ車とも言い難い。
だが、実際に試乗した人の中にはすぐに購入を決めてしまったり、所有するオーナーは誇らしげに愛車の写真を公開している。
なにが彼らを魅了したのか。
インプレッサスポーツの魅力を筆者なりに調査した。
Contents
インプレッサがハッチバックになったという利便性
インプレッサG4がセダンなのに対し、インプレッサスポーツがハッチバックであるという点は大きな差別化であろう。
載せることができるモノの豊富さや積載量にすぐれているハッチバックは現代社会のニーズに答えており、セダンを超える人気を博している。
歴戦のドライバーは車と言えばセダンというイメージを持っている人も多いが、比較的若い世代にとっては違う場合も多い。
車と言えば、軽、SUV、そしてハッチバックというイメージも強いのだ。
インプレッサG4は総合力の高いオールマイティな車だ。
しかしセダンであるがためにとっつきにくいと感じる人もいるだろう。
そんな人が目をむけることができるのが、ハッチバックであるインプレッサスポーツなのだ。
インプレッサスポーツの想像以上に広い荷室と後部座席
公式サイトでも宣伝しているその積載量の多さなのだが、ゴルフバッグは4つ入るし、サーフボードや自転車も載せることができる。
スポーツタイプということで、室内の天井は低いのだが、車内面積はかなり広い。
積載のコツとしては横に向けて載せることだろうか。
アクセサリーも積載を意識したものが揃っている。
車内を傷つけてしまわないようにカバーが用意されているのだ。
荷室を整頓するためのカーゴだってある。
アクセサリーを購入しなくても、荷室にはフックが装備されており、底面は小分けして収納できるスペースも用意。
このスペースは普段はタイヤパンク修理セットなどを収納するのに使うことになりそうだが、それだけで終わらせるにはもったいないと筆者は感じる。
広く、積載量が多いのは後部座席だけではない。
運転席や助手席のドアポケットも様々なものが収納できるように工夫されている。
これは非常に使い勝手がよく、さまざまな生活スタイルの人にマッチする優れものなのだ。
【スポーティ】の新常識
スポーツタイプといえば、積載量は意識しておらず、乗り心地は悪い、というイメージも強いだろうが、インプレッサスポーツはそのイメージを壊す。
乗り心地は快適だし、積載量は非常に多い。
様々な場面で活躍し、さまざまなモノを運べる。
たとえば部活の試合道具を何人分も一式で運べたりだってするのだ。
サーフボードだって自転車だって、「スポーツ」なのだから。
そんな設計者の見えない心の声を荷室から感じることができないだろうか。
インプレッサスポーツの乗り心地を支えるプラットフォーム
見えないところといえば、車体を支える土台、プラットフォームであろう。
「タクシーより乗り心地がいい」
とまで言われる理由はここに集約していると言っても過言ではない。
スバルグローバルプラットフォームはいままで改良を重ねてきたスバルの技術の結晶のひとつだ。
車体とドライバーの一体感を重視した調整は、ハンドル操作と車体の反応速度の差を極力小さくしている。
さらに車体がドライバーのハンドル操作に「合わせて」動くという不思議な一体感を与えてくれる。
そのため、コーナリングでハンドルを切り増したり,切りもどしたりすることが少なくなるのだ。
この一体感は、運転の疲れを大幅に軽減してくれる。
特に高速道路や、長距離の運転で力を発揮してくれるだろう。
知らず知らずのうちに運転を助けられて、快適に。
見えないところに力を入れることの大切さがわかるというものである。
安心感は後部座席にも
乗り心地を評価するのはドライバーだけではない。
むしろハンドルを握らない同乗者の乗り心地こそ大切と言える。
自分の感覚で走らない同乗者は、ドライバーよりも車体の揺れやロードノイズが気になってしまうもの。
だが、先ほどの言葉通り、インプレッサスポーツはタクシーよりも快適な乗り心地だ。
その点にもスバルの次世代プラットフォームがしっかりと関わっている。
過去のプラットフォームよりも格段に剛性がアップしているのだ。
それは段差による突き上げやロードノイズをはじめとする騒音も大幅に防いでくれる。
表向きのデザインや性能だけでなく、土台がどれだけ大切かをかんじさせてくれるだろう。
これらの性能はもちろんインプレッサスポーツに限らず、最新のスバル車全般に言えることだ。
昔スバル車にのっていたが、肌に合わずに他のメーカーの車に乗り換えたという人ももう一度試していただきたいと思う。
時代は進化しており、スバル車も昔とは違う。
「こんなに変わったのか」
と感じること間違いなしだ。
さらに見えないところのこだわりを追求
みえないところ、と言えば様々な意味を含んでいるだろう。
例えば車体の下。
インプレッサスポーツの2.0L車は、フロアアンダーカバーが装着される。
これは1.6L車には装備されないもので、意外と見落としがちなポイント。
ディーラーですら、説明を忘れてしまうくらい、さりげないこだわりなのだ。
アンダーカバーの空力効果に関してはなかなか難しいところがあるのだが、少なくとも高速道路や、向かい風が強い状況では頼りになるだろう。
また、積雪に悩まされるような北国では、車体底面を保護する役割も期待できる。
ただし、雪に引っ掛かって外れてしまうリスクもあるので、その点は注意したい。
他にも見落としがちなポイントがある。
それが最小回転半径だ。
インプレッサスポーツの最小回転半径は5.3mである。
これは普通乗用車の中では小さい方だ。
しかも登場時からマイナーチェンジを幾度か経て、全長は40㎜ほど、全幅は35㎜車体が長くなっているのだが、この最小回転半径は維持されている。
そこには居住性を向上しつつも、小回りを犠牲にしたくないという開発陣のこだわりがあったようだ。
傍目からはわからない運転しやすい車へのこだわりは「プライド」の一言だけでは片づけにくい思いがあると思う。
乗り続けるほどに味わいが出る「見える部分」
見えない部分のこだわりを褒めるだけ褒めたのだが、人はやはり見える部分に気をとられてしまうものだ。
特にそのデザイン。
インプレッサスポーツはお世辞にも流行りのデザインとは言い難い。
しかも特徴的とも言い辛いのである。
これはある種の流行り廃りに左右されないという意思表示ともとれるほどである。
そのため、若者には受けづらく、オーナーはそこそこ歳を重ねた男性が多い。
間口が広いハッチバックにも関わらずだ。
この事実は隠すことができない。
しかしこうなることをスバルが意図していなかったとは筆者には思えない。
多少ひいき目に見ているかもしれないという自覚はある。
だが、見えない部分の良さというものが本当に分かってくる年齢というのが30代から40代なのではないかとも思う。
全体的に見たら特徴がないように思えるが、実は一目でインプレッサ、あるいはインプレッサスポーツだと見分けることができるトレードマークがある。
それがフロントグリルにあしらわれるメッキの装飾だ。
エンブレムから伸びる角を思わせる加飾。
筆者は勝手にこれを「ホーン」と呼んでいる。
最初はパッとしない、もうすこしスマートなフォルムにならないのか、と感じなくもないが、見慣れてくると視点によっては非常にクールな表情を見せてくれるし、「ホーン」も非常に力強く感じてくる。
見えない部分だけでなく、見える部分も知れば知るほど楽しくなる要素が隠れている。
筆者はインプレッサスポーツをそういう車だと認識している。
この記事は以下のサイトを参考にさせていただきました。
スバル・インプレッサスポーツの実燃費、税金、口コミや評価について調査しているサイト