発表と同時に大フィーバーとなり、納期1年以上とまで言われている、スズキ・ジムニー新型。
1970年に初代が登場してから4代目となったスズキ・ジムニー新型は、初代から一貫して唯一無二の軽自動車の本格的クロスカントリー車として日本よりも世界で圧倒的な支持を得ています。
この記事では、スズキ・ジムニー新型の人気の秘密を掘り下げてみました。
Contents
【スズキ・ジムニー新型】魅惑のポイント「ラダーフレーム」
最近のSUVというのは、モノコックボディが一般的ですが、スズキ・ジムニーは発売当初から、一貫してラダーフレーム構造です。
モノコックボディとは
モノコックボディとは、ボディとシャーシが一体構造となっており、ボディ剛性が高い割には軽量化が可能であり、車内スペースの自由度も高いために、現在では主流のボディ構成となっています。
ラダーフレームとは
はるか昔の馬車の頃から車体の骨格として使われている構造で、はしご状に組んだフレームに、エンジンやサスペンションなど、走行関係のパーツを取り付けて、その上に車体を乗せる構造です。
フレームが独立しているために、剛性はとても高いのですが重量は重くなりがちで、車内スペースの自由度も低下します。
現在では、ヘビーなクロカン仕様やトラックなどのフレームとして存在しています。
舗装路走行を主体としているSUV車などには、モノコックボディが主流となっていますが、悪路走行を主としているクロカンでは、ラダーフレームのほうが一般的です。
なぜなら、悪路走行で万が一横転などしてボディが破損しても、フレームさえ生きていれば、生還できるからです。
スズキ・ジムニー新型は、悪路を走るプロのための車として設計されているので、当然ながら、一貫してラダーフレームの構造を貫いています。
【スズキ・ジムニー新型】魅惑のポイント「他よりも軽量」
スズキ・ジムニー新型は軽自動車なので、非力なエンジンに応えるように徹底した軽量化が施されています。
普通車である、ジムニー・シエラも、トレッドを広げただけでボディ構造は軽のジムニーと同じです。
スズキ・ジムニーが世界的にも人気を維持しているのは、小回りの効く軽自動車ならではボディサイズと、660ccという軽自動車の非力に見えるエンジンでも、抜群の走破性を生み出す、徹底的な軽量化によるものと思えます。
ランクルやジープ、ベンツGクラスなどにも引けを取らない人気は、こうしたスズキ・ジムニーの徹底した軽量化が生み出す、抜群の悪路走破性によるものだと言えます。
【スズキ・ジムニー新型】魅惑のポイント「パートタイム4WD」
パートタイム4WDの利点
日産エクストレイルなど、都会派のSUVでは4輪駆動の制御は電子制御が主流です。
トランスファーと呼ばれる駆動分配器で、4輪への駆動を切り替えるわけですが、現在では電子制御により路面状況や走行状況で、駆動力の分配を制御してくれるので、ドライバーは運転に集中できるという風になっています。
副変速機を持ち手動で制御するパートタイム4WDは、電子制御式に比べて、耐久性や信頼性の面で有利とされます。
スズキ・ジムニーは、発売当初からパートタイム4WDを貫いています。
2WDモードでは、後輪駆動のみとなり、市街地走行などでの安定性に寄与し、4WD-Hモードは、悪路での走破性が向上します。
さらに、4WD-Lモードに置いては、圧倒的な登坂能力や、超極悪路での走破性を確保してくれます。
パートタイム4WDの弱点
そんな悪路走破性に優れたパートタイム4WDにも、弱点はあります。
トランスファーを4WDにした場合、前後輪の回転数はほぼ同等になるために、ハンドルを切った場合に、前輪は曲がる作動なのに後輪は前に押し出そうとします。
「タイトコーナーブレーキング現象」と言う状態が発生し、市街地走行では曲がりにくいという状況が発生します。
そこで、スズキ・ジムニーのマニュアルには「乾燥した舗装路では4WDを使わないように」という注意書きがあります。
【スズキ・ジムニー新型】魅惑のポイント「縦置きエンジン」
最近のコンパクトカーや軽自動車では、エンジンの横置きが主流です。
このクラスの車では、エンジンを横置きにして駆動系をすべてエンジンルームに収めてしまうので、エンジンスペースを短く設計できるので、その分譲者空間を広く取れるというメリットが生じます。
今でも大型セダンやスポーツ系の車では、エンジンは縦置きが主流です。
エンジンを縦置きにすると、エンジン後部からドライブシャフトが伸びて駆動力を伝えやすく、フロントのデフからトランスファー、リヤのデフまで直線的に配置でき、シンプルかつ効率的になります。
スズキ・ジムニー新型でも、初代から一貫してエンジンは縦置き配置を貫いています。
【スズキ・ジムニー新型】魅惑のポイント「荒削りな乗り味」
スズキ・ジムニー新型は、あくまでも悪路走破を優先して、何があっても生きて帰ってこれる車という設計思想を持っています。
悪路走破性を優先した足回りは、市街地走行では乗りやすい車というイメージは弱くなってしまいます。
それでも、一度悪路に侵入すれば、抜群の走破性と信頼性を発揮してくれます。
スズキ・ジムニー新型で、最新のデバイスが装備されて、悪路での乗り心地も、初代と比べ物にならないほど進化はしていますが、あくまでもヘビーデューティであるには代わりはありません。
この辺の味付けは、ジムニストにとっては当たり前でも、初めてジムニーに乗るユーザーにとっては、荒削りと感じる部分かもしれません。
【スズキ・ジムニー新型】魅惑のポイント「独特なデザイン」
スズキ・ジムニー新型は、先代の丸みを帯びたボディが、熱烈なジムニストに不評だったのを受け、原点回帰として初代ジムニーの角ばったデザインに戻っています。
角ばったデザインには、悪路走破時の視界の確保や見切りの良さというメリットを生み出します。
原点回帰とは言え、初代のイメージを活かしながらも現代的なセンスでしっかりとスクェアなデザインとしてまとまっています。
この辺のスズキの設計陣こだわりが、今までのジムニストだけでなく、新たな顧客層を生み出して、爆発的な人気につながった物と思われます。
【スズキ・ジムニー新型】魅惑のポイント「多彩なカスタム仕様」
スズキ・ジムニーは、初代から50年近くもの歴史を持つロングセラーなクロカン車です。
外装や内装におけるカスタムパーツも多彩ですが、ジムニー専用のカスタムパーツを扱う専門ショップも多数存在して、スズキ・ジムニーのカスタム化に寄与しています。
もともと悪路走破性の高いスズキ・ジムニーですが、悪路走破性を高めるリフトアップカスタムや、軽自動車という狭い空間で車中泊を実現するキット、釣りを楽しむためのカスタムキットなど、カスタムキットは多彩に開発されています。
スズキ・ジムニー新型では、衝突回避ブレーキなどが装備された関係で、リフトアップなどのカスタムには注意が必要ですが、様々なカスタムパーツが登場してくることは間違いありません。
ジムニストにとって、他人と違う個性を出すことが楽しめる車と言えます。
【スズキ・ジムニー新型】魅惑のポイント まとめ
今回は、スズキ・ジムニー新型2018年モデル買うべき理由とポイントについて、スズキ・ジムニー新型がもつ特徴をいくつか上げて、初代から一貫して唯一無二の軽自動車の本格的クロスカントリー車としての人気の秘密に迫ってみました。