3代目へのフルモデルチェンジ前まで存在したエクストレイルディーゼル車!
高性能で発売当時は非常に話題になっており、その後、運転が非常に楽しい車と評価されていましたが、発売後は様々な問題が発生し別の意味で注目される形となっていました。
現行モデルの3代目エクストレイルにフルモデルチェンジを機にディーゼル車は廃止されてしまったのですが、この理由も不具合の多さからと考えられています。
これ程話題となっていたエクストレイルディーゼル車の不具合とはどの様な物だったのでしょうか?
また、ディーゼル車を中古で購入するのはアリなのでしょうか?
今回はエクストレイルディーゼル車の不具合について調べてみました!
Contents
エクストレイルディーゼル車はどんな車?
エクストレイルディーゼル車は日産がルノーとの共同開発によって生まれた車であり、2008年9月4日当時、世界的に最も厳しい排出ガス規制値「ポスト新長期規制」を国内で初めてクリアした車種として注目され、2代目エクストレイルであるT31型のトップグレードとして追加されます。
発表当時、スペックの高さが非常に話題となり、300万円を上回る価格にも関わらず2008年9月18日に発売されるや20日足らずで1077台を受注し、月間目標台数100台を大きく上回る結果となり大人気のグレードとなっていました。
ディーゼル車特有の経済性、トルクの太さやエンジンがターボ仕様、マニュアル車のみの展開となっている事から、車好きの人に非常に注目されたのではないでしょうか?
その後、マイナーチェンジを機にオートマ車も追加され、マニュアル車の運転が苦手な人もこのグレードを選択する事が可能となりました。
2013年には価格帯を抑えた「20GT S」が発表される等、仕様変更が施され、さらに購入しやすい車なっていたエクストレイルディーゼル車ですが、その後のフルモデルチェンジにはディーゼル車がグレードとして追加される事はありませんでした。
実はエクストレイルディーゼル車は発売後に不具合や故障がかなり多く、また違った理由で注目を浴びてしまった車だったんです。
ディーゼル車が廃止された理由もこの不具合の多さなのでは?とまで言われています。
これ程までに言及されるエクストレイルディーゼル車に存在した不具合とは一体どのような物だったのでしょうか?
エクストレイルディーゼル車の不具合とは?
エクストレイルディーゼル車で起こった不具合とはどの様なものなのでしょうか?
最もよく聞いた物はエンジントラブルです。
エクストレイルディーゼル車のエンジンは非常に複雑な構造になっており、部品の一部分が故障しただけでトラブルが発生してしまうそうです。
この故障の為、新車であってもエンジンの回転が上がらず、坂道を登らない等の報告もあがっていました。
エンジン内のパーツで特に問題視されていたのが、DPFとEGRという部品でした。
DPFとは排ガス中にある微粒子を除去するフィルターで、この微粒子はPMと言われ、空気中に飛散すると健康に悪影響を与える物質です。
PM2.5という言葉を最近よく聞きますので、PMという単語を聞いて、なんとなく健康に悪い物質ではと思った方もいるのではないでしょうか?
このPMですが、ディーゼル車の燃料である軽油を燃やした時に発生する黒い排気ガスに含まれており、主な成分は燃料である軽油が燃え切らなかった為に生じるすすです。
このすすが空気中に飛散すると環境に悪影響を与えるので、DPFというフィルターを使用する事で飛散を防止しこの影響を抑えているのですが、このパーツは非常に高価で、使い捨てという訳にはいきません。
その為、熱により収集したPMを燃焼する機能が備わっているのですが、PMが異常堆積した状態で使用するとPMの異常燃焼によりDPFが破損してします可能性がある為、この様な場合はコンピューターで燃焼を禁止しています。
しかし、このコンピューター制御に不具合が発生し、結果としてPMの除去制御が不適切となり、多量に堆積するケースや燃焼禁止にも関わらず、熱処理を行い、結果としてDPFが破損するケースがあったそうです。
さらにDPFの不具合が原因で、別のパーツの故障にも繋がっていきました。
そのパーツがEGRです。
EGRとはディーゼルエンジンの排気ガスを吸気側に戻して新しく吸った空気と混ぜわせるシステムで、このシステムを組み込む事でディーゼルエンジンの燃焼温度を下げています。
もし、エンジンの温度が高くなると軽油が燃焼する時に窒素酸化物が生成され、光化学スモッグの原因となってしまいます。
その為、EGRを使用し二酸化炭素濃度が高い排気ガスを吸気側に送る事で、酸素濃度を低くし、燃焼温度を下げています。
しかし、スラッジという物質が原因となりEGRに不具合が発生するケースがありました。
スラッジとはエンジン内部のオイルと混ざった燃料やオイルの燃えカスの総称ですが、DPFが想定通り作動していればある程度は除去する事が可能な物質です。
しかし、先ほど話したようにDPFに不具合が発生した場合、スラッジの除去が不十分となり、その結果としてEGRにも影響を与える事があったようで、アイドリングの不安定やパワーの低下、そしてエンジンの故障が誘発される事がありました。
この様に、エクストレイルディーゼル車2種類のパーツが原因となるエンジントラブルが相次いだ車であり、その為か、フルモデルチェンジ後は廃止される形となっています。
エクストレイルディーゼル車の中古購入はアリ?
不具合さえ起こらなければ、運転好きには非常に適しているエクストレイルディーゼル車!
現在も購入を考えるファンはいらっしゃるのではないでしょうか?
エクストレイルディーゼル車は現在、生産が中止されてしまった為、購入には中古とい方法が第一選択になりますが、ここまで不具合が発生したエクストレイルディーゼル車の中古を購入するのはアリなのでしょうか?
不具合について色々と情報を見てみたのですが、どうやらこの様な不具合はディーゼル車の前期モデルに多発したそうで、特に平成20年8月~平成24年9月の期間に生産されたエクストレイルディーゼル車は、エンジン内部の破損が原因でリコールが行われた事もあります。
その為、この時期に生産されたエクストレイルディーゼル車の購入は非常に慎重にならざるを得ないと思われます。
しかし、マイナーチェンジ後の後期モデルは不具合もかなり解消されたそうで、人によっては全くトラブルが発生していないと報告しているドライバーさんもいらっしゃいますので、中古でエクストレイルディーゼル車を購入する場合には後期モデルを選択した方がトラブルが起こらない可能性は高そうです。
とは言いましても、多くの不具合を抱えた車種であったことは間違いないので、購入時には店舗の店員さんによく確認する必要は必ずありそうですね。
エクストレイルディーゼル車の不具合をまとめると?
今回はエクストレイルディーゼル車におきた不具合についてまとめてみました。
ハイスペックであり、マニュアル車やターボ仕様の存在が運転好きには好評だったエクストレイルディーゼル車ですが、とても不具合が多い車としても有名でした。
そのトラブルはエンジンによる物が多く、場合よっては走行不可能となってしまうほど深刻だったそうです。
後期モデルへのマイナーチェンジを機に、この不具合も徐々に解消されていったそうで、後期モデルのドライバーさんから全く不具合が無いという報告もあがってはいましたが、やはりトラブル続きという点が影響したためか、3代目へのフルモデルチェンジ時にはディーゼル車はグレードから姿を消すことになってしまいました。
その為、現在ディーゼル車の購入を考えている人は中古車での購入が第一選択となってくると思いますが、特に前期タイプには不具合が多かったようなので購入時には年式に注意が必要そうです。
後期モデルになると比較的トラブルも減って行ったそうなので、可能なら後期モデルを選択したいところです。
ただし、後期モデルといっても不具合が問題になった車であることは間違いないため、販売店舗の店員さんにトラブルなどが起きていないかの確認は必要でしょう!
トラブルさえ起こらなければ、ターボ仕様、マニュアル車、さらにトルクが太いディーゼルエンジンとなっていますので、運転が楽しく、かなり魅力的な車であることは間違いないと思います。
購入希望者は不具合の確認だけはしっかいと行い、トラブルがないエクストレイルディーゼル車を購入し楽しいカーライフを送ってくださいね!